前回の「検索は必要か?」の記事では個人利用の場合の検索の必要の是非について書きました。
今回は主に企業での話について書いていきたいと思います。
まずはAIのCopilot(コーパイロット)で企業での検索の必要性について問うてみましたので下記に掲載させていただきます。
はい、企業でのエクセル検索機能は非常に重要です。多くの企業では、大量のデータを管理し、必要な情報を迅速に見つけるためにエクセルを活用しています。以下に、企業利用におけるエクセル検索の利点をいくつか挙げます。
1. データ管理の効率化
エクセルは、社員の連絡先や顧客リスト、在庫管理、財務データなど、多岐にわたるデータを管理するのに適しています。検索機能を使うことで、必要な情報を素早く見つけ出すことができます。2. 分析と報告
企業では、データ分析や報告書の作成が頻繁に行われます。エクセル検索機能を使うことで、特定の条件に基づいてデータを抽出し、正確な分析結果を得ることができます。3. 時間の節約
特定のデータを手動で探すのは非常に時間がかかります。検索機能を使うことで、数秒で必要な情報にアクセスでき、業務効率を大幅に向上させることができます。4. エラーチェック
データの中にエラーが含まれている場合、検索機能を使って特定のパターンや不整合を見つけ出し、修正することができます。これにより、データの正確性を保つことができます。5. カスタマイズ可能な検索
エクセルの検索機能は非常に柔軟であり、特定の書式や数式、部分一致など、さまざまな条件に基づいて検索することができます。これにより、複雑なデータセットでも精密に検索できます。6. マクロやVBAの活用
マクロやVBAを使うことで、複雑な検索作業を自動化し、さらに効率的にデータを扱うことができます。特定の条件に基づいた自動化された検索プロセスを構築することで、業務プロセス全体を改善できます。これらの利点から、エクセルの検索機能は企業利用において非常に重要であり、効率的なデータ管理と分析に不可欠です。
以上がAIによる分析です。
企業では個人とは比べ物にならないくらい大量のデーターを扱うため作業の効率化のため検索は必要不可欠と述べています。
それと同時にエクセルの検索機能がそのニーズにこたえるだけの高度な性能を持っていることも挙げています。
私が使っているエクセルはバージョン2021なためエクセルの検索を見てもそれほど高度な機能が備わってはいないように見えるのですが、AIではエクセルの検索機能は部分一致なども含む様々な条件で検索できる高度な機能を持っていると結論付けています。
私が見落としていたエクセルの検索機能は検索だけではなくフィルターにもありました。フィルターと呼んでいるので検索ではなさそうですが、立派な検索機能でフィルいうくらいですからっ厳密には検索というよりは振り分けです。これは私が使っているバージョン2021にもあるものですが、この高度な振り分け(検索)機能は文字列検索や数字検索で威力を発揮して、文字列検索では~を含む(もしくは含まない)や~から始まる(もしくは終わる)、~の値に等しい(もしくは等しくない)などの条件で文字列を検索することが可能です。
これらの機能のうち当方が製作した検索窓では~を含むと~の値に等しいしか現在のところ対応しておりません。
フィルターなど今まで使ったことがなかったので少し使ってみたのですが、確かにいろいろな条件で検索できる機能ということはわかりました。
ただ、これはいったい何の役に立つの?という疑問が生じました。
これは私の無知ゆえの疑問ですが確かに様々な条件で数字や単語を検索しても結果画面に表示された単語をクリックしても左端のチェックマークが外れるだけで、ワークシートのその単語の位置に飛ぶわけでもありません。つまり検索した単語を編集することができません。
検索した数字なり単語をcsv形式などのファイルでエクスポートできるわけでもなく、プリントアウトできるわけでもありません。
それを画面でみることしかできません。あと検索結果に行数制限があって1万行までしか表示できません。検索窓の場合、表示できた最大行は37万4000行ほどでした。その代わり時間がとてもかかって約1分25秒かかりました。使用したパソコンは7万円台の11世代Core i3を搭載したパソコンです。
だから何、という感じで一度に37万4000行も表示されても全部見るのは到底不可能ですし、これまたcsvにエクスポートしたりプリントアウトしたりはできませんので単純に困ってしまいます。プリントアウトできたとしても、1枚の紙に100行印刷しても3740枚分の用紙分になりますからこれまた困ります。
エクセルのフィルターという機能は使いこなせばビジネス用途に必須の機能なのかもしれませんけれども、無知な私には今一つ使い道がわかりませんでした。
さて肝心のビジネス用途におけるエクセルの検索の必要性は必要だと言わざるを得ません。
企業はその企業規模にもよるでしょうが例えばメガバンクの取引相手数を検索で調べてみました。
メガバンクの取引先数は?
大都市はメガバンク地方は地銀が圧倒 東京商工リサーチは8月、企業データベースから全国156万8602社のメインバンクを調査した。 メインバンクとしての取引先数は、1位が三菱UFJ銀行の12万5942社、2位は三井住友銀行9万9225社、3位はみずほ銀行8万424社だった。2023/09/19
1位の三菱UFJ銀行の取引先数は12万5942社にもおよびこれをエクセルで管理していたとするとやはり何らかの手段で特定の企業を見つけなければならず、その手段としては検索やフィルタリングということになると思います。
これらのメガバンクが普通に市販のエクセルを取引先管理に使っているとは考えにくく、取引先を管理するためのシステムを独自に作っていてそれで管理していると考えた方が自然です。
エクセルは基本的には一度に一人で使うもので多人数での同時アクセスはできないからです。これができるエクセルとなるとWeb版のエクセルということになりますがそんなWeb上というセキュリティリスクの極めて高い場所に取引先名簿を保管していたというのはあまりにも非現実的です。
それでもこれまたインターネットからの抜粋ですが企業のエクセルの利用割合について調べると訳70%もの企業が使用しているとのことでした。これは会社の規模に関係なく調べた数字ですので多くは中小企業やパパママ企業が圧倒的だと思われます。以下にその企業のエクセル利用率のインタネットでの記載を掲載いたします。
企業におけるMicrosoft Excelの利用率は、一般的に70%以上とされています。表計算や集計業務、データ分析、レポーティングなど、さまざまな用途で利用されています。
Excelの利用状況に関する調査結果の一部は次のとおりです。
2024年4月時点のPR TIMESの調査では、表計算ソフトの利用者を対象に最も利用頻度の高いソフトとしてExcelが76%を占めています。
2022年5月時点のUtillyの調査では、全国の20歳以上の会社員・経営者・公務員275名における表計算ソフトの利用状況で、Microsoft Excelが圧倒的に高い利用率となりました。
2020年時点のキーマンズネットの調査では、Excelの導入バージョンは「Excel 2016」が43.1%と最も多く、次いで「Office 365(Excel Online)」27.2%でした。
Excelは、表計算などの計算機能に加えて、指示書や設計書などの文書作成にも対応できる多機能なところが多くのユーザーに支持されています。
とのことです。
エクセルは指示書や設計書など多用途に使われているのですね。ここで注目したいのはエクセルの用途で、顧客名簿や先ほどのメガバンクの時に挙げた取引先相手の管理などの記載がないことです。
それでは企業は何で取引先や顧客の管理をしているのでしょうか?
今回はマイクロソフト社のAIのCopilot(コーパイロット)に聞いてみました。以下それに対する回答です。
企業が取引先相手の管理に使用するツールには、いくつかの選択肢があります。ここでは、一般的なツールをいくつか紹介します:
1. CRM(顧客関係管理)システム
Salesforce: 業界標準のCRMプラットフォームで、顧客情報の管理や営業活動の追跡に優れています。Microsoft Dynamics 365: MicrosoftのCRMソリューションで、Office製品とシームレスに統合され、使いやすさと高機能が特徴です。
HubSpot: 中小企業向けの人気のCRMで、無料プランも提供されており、使い勝手が良いです。
2. エンタープライズリソースプランニング(ERP)システム
SAP: 大企業向けの総合ERPシステムで、取引先管理に加えて会計、人事、生産管理など多岐にわたる機能を持っています。Oracle ERP: OracleのERPソリューションで、高度なデータ分析機能とカスタマイズ性が特徴です。
3. 専用のデータベースシステム
Microsoft Access: 中小企業向けのデータベース管理システムで、簡単にカスタマイズして取引先データを管理できます。MySQL: オープンソースのデータベースシステムで、スケーラブルかつ信頼性の高い取引先管理が可能です。
4. コラボレーションツール
Microsoft Teams: チャットベースのコラボレーションツールで、顧客情報の共有やコミュニケーションに優れています。Slack: 業務用メッセージングアプリで、チーム内での情報共有や取引先とのコミュニケーションに役立ちます。
5. プロジェクト管理ツール
Asana: プロジェクト管理とタスク管理に優れたツールで、取引先とのプロジェクトを効率的に管理できます。Trello: カンバンスタイルのプロジェクト管理ツールで、直感的な操作が特徴です。
これらのツールを適切に組み合わせることで、企業は取引先相手との関係を効果的に管理し、業務の効率化と顧客満足度の向上を図ることができます。
私も含めた一般の人には見慣れない物ばかりがずらりと並びました。
でもこの中にマイクロソフトのものが二つ含まれています。Microsoft Dynamics 365とMicrosoft Accessです。特にMicrosoft Accessは手軽にデータベース(データーの集合体を保管する場所)を作れるので、個人事業主や比較的小さな企業に用いられているかもしれません。
でもこのAIの答えの中にはエクセルはありませんでした。表計算や集計業務、データ分析、レポーティングなどの利用には多用されるエクセルですが顧客管理などには使われてないようです。
私の推論でしかありませんが、やはり検索機能の不十分さが理由の一つではないかと思います。先ほどのエクセルのフィルタリングでもありましたが、フィルタリングした結果が出てもそのあと何もできないという面が顧客名簿には使われない一つの要因のような気がします。
なぜこのような粗末な検索粗末なフィルタリングがエクセルに存在するのかという疑問に対して陰謀論のように聞こえるかもしれませんがマイクロソフトがあえてエクセルに高度な検索機能を付けなかったという見方もあります。
なんでそんなことするの?と思いますが他の製品を買わせるためと私は思ってます。他の製品とは先ほど出てきたMicrosoft Dynamics 365やMicrosoft Accessです。
そこは深入りはしませんが何となくそんな感じがしただけです。
文章も長くなってきたので結論を急ぎますとエクセルに検索は必要か?は企業にとっても多くの企業では必要がないということになると思います。
表計算や集計業務、データ分析、レポーティングなどで果たして検索が使われるのかという問題と検索機能があまりにお粗末で使い物にならないという点で、仮に検索が必要であっても満足な検索ができないというのがその理由です。
個人利用でも検索は不必要と結論付けましたが、企業利用においても必要がないという結論になりました。あるいは必要でも使い物にならない。満足のいく検索はできないと思います。